雑談力を上げたい!コミュニケーションのコツとネタの仕込み方を紹介
「親しい人とは話せるけれど、初対面やあまり親しくない人と話すのが苦手。」という悩みをもった方はとても多いです。ビジネスの場など、話すべきことが決まっている場合は問題ないが、「雑談」となると苦手意識を感じてしまう方もいます。
雑談が苦手な方は、それが自分の性格だと思って諦めてしまいがちですが、そんなことはありません。
ちょっとしたテクニックやコツを覚え、ある程度の経験を積めば、誰でも雑談力は上げられます。
この記事では、「雑談が得意な人の特徴」や「雑談力を身につけるコツ」「嫌われる会話のパターン」などについて紹介します。
会話上手になり、さまざまな方とよりよいコミュニケーションを取りたいと考えている方は、この記事を参考にしてください。
雑談が得意な人の特徴
雑談力を身につけるには、まず雑談が得意な人について知る必要があります。雑談が得意な人とは、明るい性格の人でしょうか?それとも、自分に自信がある人でしょうか?実は雑談の上手さは、性格や自信の有無で決まるわけではありません。
それでは、雑談が得意な人の特徴について解説していきましょう。
雑談が得意な人は、以下の3つの特徴を持っています。
これら全部を兼ね揃えている人もいれば、どれか1つ・2つという人もいます。つまり、これから雑談力を上げたいと考えている方は、まずこのうちの1つを習得すればよいのです。
それぞれの特徴を知って、自分ならどれを身に付けやすいか考えてみましょう。
「会話が上手な人は、面白い話ができる人」雑談の苦手な人はそう考えてしまいがちです。しかし、雑談において1番大切なのは「聞き上手」であることです。自分は話すのが苦手だが「なぜかあの人の前だと、スラスラと話せる」と思った経験はありませんか?
それは、相手が「聞き上手」だったからかもしれません。話を聞くのが上手な人は、相手が話したいことを話しやすくなるような質問をしたり、適切な相槌をうったりできます。
「聞き上手」のお手本となるのは、大物司会者です。彼らは、自分はそれほど話さず相手から、面白いエピソードをどんどん引き出します。話すのが苦手な方は、聞き上手を目指すとよいでしょう。
雑談が得意な人の特徴の1つは、やはり話の上手さです。そのような人は、ユーモラスなエピソードをよどみなく話せたり、話のオチをつけるのがうまかったりします。しかしそれだけではありません。
話し上手な人は、話し相手にわかりやすい言葉を選んで話しています。相手が知らないと思われる専門用語や流行り言葉などは、なるべく使いません。話すスピードについても、相手のペースに合わせています。このような気遣いは、話し相手を疲れさせません。
会話の上手い人は、会話の適切なテンポを理解しており、自然な気遣いができる特徴があります。
雑談のポイントは「聞く」「話す」だけではありません。雑談が得意な人は「褒め上手」という特徴を持っています。褒めるというのは意外に難しいもので、「素敵」「うらやましい」などと口先だけで褒めても、多くの場合はただの社交辞令と捉えられてしまうでしょう。
褒め上手な人は、表面上だけで相手を褒めたりはしません。褒めていることを前面に押し出さず、会話のなかで上手く相手を褒めます。相手の話を真剣に聞き「さすがですね」「なるほど」「いいですね」と心から相槌を打つのです。
「〇〇さんの話はわかりやすい」「面白いです」「初めて知りました」といった言葉も褒め言葉です。相手がする面白い話に大笑いするのも、褒めるのと同じ効果があるでしょう。人によっては、容姿や髪型など見た目を褒められるのが苦手な場合もあります。
褒め上手な人は、相手の反応を見ながら、その人に適した方法でさり気なく褒めるテクニックを持っています。
雑談が得意な人の特徴を3つ紹介しましたが、この3つには共通点があります。それは会話を楽しみ、話す相手をよく見ている点です。聞き上手な人は相手の様子をよく見て、相手が話しやすい空気をつくります。
話が上手な人が、話のテンポを相手に合わせられるのも、相手をよく見ているからです。
褒め上手な人に関しても、相手をよく見ていなければ、相手の心に響くさりげない褒め言葉を発せられません。雑談が苦手な人は、いかに自分が上手に話すかに注目してしまいがちですが、「しっかりと相手のことをよく見て気遣う」ことが大切だと覚えておきましょう。
話し相手に興味をもち、「相手を知りたい」という気持ちをもてば、自然と相手のことを見られるようになるはずです。
雑談力を身に付けるコツ
ここでは、雑談力を身につけるための具体的なコツをレクチャーします。
コツがわかれば、雑談が得意な「聞き上手」「話し上手」「褒め上手」に近づけるはずです。
相手からうまく話を聞き出す「聞き上手」になりたいなら、質問のテクニックを身につけましょう。質問には、2通りの種類があります
普段は種類を意識せず、相手に質問を投げかけているかと思います。しかし、これらの質問を使い分ければ、相手が話しやすい状況をつくりやすくなります。質問の種類と特徴を知り、効果的に使いこなしましょう。
クローズドクエスチョンとは、「はい」と「いいえ」で答えられる質問のことです。具体的な例をあげてみましょう。
- 「元気でしたか?(質問)」「はい(答え)」
- 「今日は車で来たんですか?(質問)」「いいえ(答え)」
クローズドクエスチョンは、簡潔に答えられるので相手にとっては楽な質問といえるでしょう。一方で、話を膨らませにくい面もあります。クローズドクエスチョンは、初対面や相手とまだあまり親しくない場合、相手も緊張していると見受けられる場合に有効です。
話し相手には、まずクローズドクエスチョンを投げかけて、自分との会話に慣れてもらいましょう。
オープンクエスチョンとは、クローズドクエスチョンとは反対に、「はい」「いいえ」では答えられない質問のことです。具体的な例をあげてみましょう。
- 「昨日は何をしていましたか?(質問)」「昨日は家族と動物園に行きました。(答え)」
- 「どこの動物園に行ったんですか?(質問)」「上野動物園です。(答え)」
このような答えを返してもらえれば、次のアクションで「動物が好きなんですか?」と深掘りしていけます。あるいは「家族で出かけることが多いんですか?」と、関連したほかの話に移ることも可能です。
このようにオープンクエスチョンには、話を広げる効果があります。オープンクエスチョンは、クローズドクエスチョンで会話の雰囲気をほぐしてから投げかけると、相手が負担を感じにくいでしょう。
質問するときは「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」を意識すると上手く質問ができます。
面接のように圧迫感を出したり、詮索したりしてはいけません。あくまで相手に興味を示すという姿勢が大切です。
人と話すときは、自分と相手の共通点を積極的に探しましょう。共通点があれば、より的確な質問ができ、自分もそのことについてさまざまなことを話しやすくなります。人間は、自分に似た人に好意を抱くという特徴があります。
これを心理学では「類似性の法則」といいます。「性別」「年齢」など、わかりやすい共通点があると仲良くなりやすいのはこのためです。
社会にはさまざまな人がおり、「自分とは違う」と感じる人が多くいます。しかし、会話のなかで、お互いに共通点があることを認識できれば、お互いに親しみをもち楽しく会話ができるようになるでしょう。
共通点は、「食べ物の好み」「出身地」「スマートフォン」など、ちょっとしたことで構いません。オープンクエスチョンやクローズドクエスチョンをうまく使って、自分と相手との共通点を探していきましょう。
雑談のなかで質問を投げかけるのは大事なことですが、質問してばかりでは相手が疲れてしまいます。しかし、自分からは何を話していいかわからない方も多いでしょう。
そのような場合は、話のネタをあらかじめ用意しておくと迷いなく話せます。「話題にできるような出来事はなかなかおきない」と考え込む必要はありません。話のネタは、身の回りで簡単に見つけられます。
話のネタを仕入れるためには、まず大きくアンテナを張ってみましょう。そしてニュース・ドラマ・スポーツ・ゲームなどさまざまなエンターテイメントに興味をもってみてください。
話題のきっかけになればいいだけなので、それほどまで詳しくなる必要もありません。さまざまなジャンルに興味を持てれば、相手と会話するなかでも話を広げやすくなるでしょう。
自分のちょっとした失敗談を話すと、相手が心を開きやすくなります。失敗談には、相手の自尊心を高められる効果や、同じような失敗をしたことのある人からの共感を得やすいという効果があります。
相手は、弱みを見せられたことで警戒感を解き、心を開きやすくなるでしょう。失敗談を話す場合は、誰でも一度は経験したようなちょっとした失敗談が適当です。そして、反応がよかった話はストックしておきましょう。
雑談をするときは、話題や質問内容ばかりを気にしていてはいけません。相手はあなたの表情や仕草などからも、さまざまなことを感じ取っています。話しているとき無表情でいては、話の内容がどうであれ、相手は良い印象を持ちにくいです。
楽しい話をしているときは楽しそうに、真面目な話をしているときは、真剣な表情を心がけることが必要です。
また聞く時には相手を見て、丁寧に相槌を打ちましょう。無意識のうなずきだと小さくて相手に伝わりづらいので、うなずく仕草は多少大きめにするのがポイントです。
表情豊かに、話をちゃんと聞こうとする姿勢を見せれば、話のうまい下手に関係なく、相手はあなたとの雑談を楽しんでくれるはずです。
嫌われる会話のパターン
雑談をするときには、注意しておきたいこともあります。それは、相手を不快にさせる「嫌われる会話のパターンがある」ということです。何も気にせずに話していると、いつのまにか相手に嫌な思いをさせてしまうかもしれません。
あらかじめ、嫌われる会話のパターンを頭に入れておきましょう。
独りよがりな話をしてばかりだと、相手にあまり良くない印象を持たれてしまいます。独りよがりとは、「まわりのことを考えない」ことです。
世の中には、さまざまな考え方があるにもかかわらず、自分の考えだけが正しいというような態度で話をするのは「独りよがり」といえるでしょう。
また、相手が興味をもっていない話題について一方的に話し続けたり、自慢話をし続けたりするのも「独りよがり」のパターンです。相手へ敬意を払わない会話では、相手は雑談を楽しめません。相手の話を聞かなかったり、話を途中で遮ったりするのも嫌われる会話のパターンです。
自分が気持ちよく話しているときでも、相手を気遣う気持ちを忘れないようにしましょう。
雑談ではつい、友人・家族・学校・会社などへの不満・愚痴などネガティブな話をしてしまいがちです。疲れていると「無理」「つかれた」「めんどうくさい」こういったネガティブなつぶやきを発してしまうことは、誰にでもあるでしょう。
悪口や不満などは、相手から共感してもらえたり、励ましてもらえたりするので、口にしてしまいやすいものです。
しかしネガティブ発言が多いと、相手からの信頼を得づらくなります。
共通の敵を作って仲間意識をつくるという戦略もありますが、そのような関係は得てして壊れやすいものです。失敗するリスクもあるのでおこなわないほうがよいでしょう。
ついネガティブな発言をしてしまう人は、人から好かれるポジティブな発言をこころがけましょう。
雑談力があることでどんなメリットがあるのか
雑談力は、ただ楽しく話すためだけに必要なものではありません。雑談力があればさまざまなメリットを得られます。ここでは、雑談の利点について紹介していきましょう。
雑談をすると、相手に自分の価値観をわかってもらえます。自分の悩みや、自分が求めているものも知ってもらえます。
自分を知ってもらえれば、ときには助けてくれたり協力してくれたりする可能性も高まります。
雑談をすると、相手のことを知れます。相手の価値観に触れることで、自分とは違うさまざまな考え方があることを実感できます。
相手の悩みを知り力になれれば、信頼しあえる関係を築けます。
また、相手の持つ情報を得られれば、自分の生活や仕事に活かせるでしょう。
雑談は、自分と相手を繋げてくれます。共に気分のよい時間を過ごせれば、また会いたくなるものです。また雑談する中で、互いの持つ情報を出し合えば、新しいアイデアが生まれるかもしれません。
充実した雑談ができる力があれば、仕事上の連携がうまくいったり、人間関係を円滑にできたり、新たなチャンスを生みだすことができたりします。
まとめ
雑談は、ただの無駄話というイメージがありますが、そんなことはありません。雑談というコミュニケーションは、生活や仕事を充実させるとても大切なものです。しかし「私は話すのが苦手だから」と悩むことはありません。
話すのが苦手でも、相手の話を誠意もって聞いたり、相手を尊重したりするよう心がければ、十分質の高い雑談ができます。
まずは「話す力」「聞く力」「褒める力」のなかで、自分に合った能力を身に付けましょう。
さらに雑談力を上げたい人は、ネタを用意しておいたり、嫌われる会話のパターンについて知っておいたりすることも推奨します。雑談力が上がれば、親密度が低い人と2人きりになったとしても焦らずにすむでしょう。
それどころか、さまざまな人とより良い信頼関係が築け、仕事も生活もより充実させられるでしょう。