大人に求められる「読解力」とは?メリットや鍛える方法も解説!
読解力とは
読解力は大きく2つに分けられます。
- 文章やグラフなどの情報を把握し理解する力
- 相手の発言や表情から意図を把握し理解する力
皆さんが想像する読解力は、前者ではないでしょうか?そのなかでも、社会人により求められる力は、相手の発言や表情から正確に意図を把握し理解する読解力です。読解力がない社会人は、「相手の発言が理解できない」「こちらが思うように発言できない」など、仕事に支障が出る可能性があります。仕事で苦労しないためにも読解力を鍛えましょう。
大人にこそ求められる読解力の要素
読解力を向上させるためには3つの要素からなる力を鍛える必要があります。その3要素は以下のとおりです。
- 解釈力
- 要約力
- 語彙力
これら3要素のうちどれか1つでも欠けていると、正確な読解力を身につけることはできません。3つの力を正しく理解し、読解力を鍛えることが社会人には求められています。
読解力を鍛えるためには「解釈力」を高める必要があります。解釈力とは、文章全体の構造を理解することをいい、その意図や目的を正確に理解する力です。文章は単語や助詞、文節などから成り立っており、それぞれに役割が存在します。そのため、それぞれの役割を正確に読み取る力を養わなければなりません。
また、この解釈力ですが、文章だけに限ったことではなく、上司や同僚とする会話においても同様のことがいえます。相手の発言から、どんな目的があるのか、どんな意図をもって発言したのか、なども汲み取る必要があります。読解力を鍛えるためには、文章や会話を通じて、適切に解釈できる力をつけましょう。
ポイントを押さえて的確に要約できる力は、読解力を鍛えるためには必要な要素です。要約力は文章や会話から重要なポイントを、分かりやすくまとめる力のことをいいます。本を最初から最後まで読んだけれど、内容をほとんど覚えていない経験ありませんか?その原因は、読むことに満足して、ポイントごとに要点を押さえられていないためです。
学生の頃、国語や英語などのテストで「この問を要約しなさい」と似た問題が出た経験が一度はあることでしょう。学生にとって要約力はテストや受験など、一部において求められるテクニックです。しかし、社会人は仕事や日常生活などさまざまな場面で、要約力を求められます。
コミュニケーション能力が高い社会人は、相手と同じレベルで会話できる「語彙力」を備えています。文章を読むことや相手と会話することで大切なポイントは、「どれだけ多くの語彙を知っているか?」です。知っている語彙の数が乏しいと文章や会話の内容を正しく汲み取れません。
学生の頃、英単語を知らないために、英文の意味を理解できなかった経験があるのではないでしょうか?英単語の意味を知らなければ、文章の大まかな内容は理解できても、詳細まで把握するのは困難でしょう。これは、日本語における文章や会話でも同様です。話し手が専門用語を理解していても、聞き手が理解していなければ、詳しい内容を話しても意味がありません。語彙力を増やすことで、相手の話している内容を理解できるようになります。
読解力があることによるメリット
読解力がある社会人は、仕事や日常生活において、役立つ機会が多々あります。
- 書類から要点を掴める
- コミュニケーション能力が高まる
- 分かりやすい資料を作成できる
- 情報収集能力が向上する
これら4つが、読解力を鍛えることで得られるメリットです。仕事や日常生活など、役立つ場面は多く存在します。また、読解力を鍛えることで、周りから信頼される社会人として認識されます。
読解力がある社会人は、書類に目を通して、内容の要点を掴むのが得意です。会議の資料、パンフレット、チラシなど、社会人にもいろいろな文章を目にする機会があります。読解力を身につけると、書類に書かれている情報から、重要ポイントを探す力が向上します。書類から要点を掴める社会人は、ものごとの全体像を理解できているため、周りからも頼られる存在になるでしょう。
とはいえ、書類を一言一句読んでいると、時間がどれだけあっても足りません。まずは、簡単な資料や文章をまとめる練習から始めましょう。社会人が読解力を鍛えると、この書類は何を伝えたいのか、要点を正確に読み取れるようになります。
コミュニケーション能力が高い社会人は、総じて読解力がある方ばかりです。読解力があると、相手の伝えたいことを素早く理解し、相手の意図に沿った会話ができます。また、相手が求めている言葉を瞬時に判断して、話せる点も読解力が高い方の特徴です。上司から依頼された仕事に対して、読解力がある方とない方の差は歴然です。読解力がない社会人は、上司から言われたとおりの仕事しかしません。一方で、読解力がある社会人は、上司の依頼内容から最終的なゴールを想像し、必要になると予測できる仕事まで考えて行動できます。
このように、読解力がある社会人が頼られるのは必然です。
読解力を身につけると、分かりやすい資料を作成できるようになります。読解力がある社会人は、正しい情報を仕入れることが上手です。仕入れた正しい情報を誰でも理解できるように分解し、文章を再構築します。
例えば、文字ばかりで一文が長い資料と、文章は短く図やグラフなどを用いている資料があった場合、どちらのほうが見やすいでしょうか?多くの方は、後者の一文が短く図やグラフなどを用いている資料でしょう。読解力を鍛えることで、要点をまとめる力が身につき、分かりやすい資料を作成できるようになります。分かりやすい資料を作成できるようになりたいと思っている社会人は、読解力を鍛えることで実現可能です。
読解力を高めると、正しく無駄のない情報を収集する能力が向上します。昨今は世の中にありとあらゆる情報が溢れかえっています。皆さんは、そのなかで正しい情報と間違った情報を判断しなければなりません。では、どのようにして正しい情報と間違った情報を判断するのでしょうか?その答えは、与えられた情報から、ものごとの意図を正確に読み取る力を付けることです。つまり、読解力をつけましょう。読解力があれば、正しい情報を素早く手に入れて、次の行動に移せるようになります。
読解力を鍛えると、上手に時間を活用できるようになるのに加えて、正しい情報を集める能力が向上します。
読解力の鍛え方
読解力を鍛えるには、この記事の最初に紹介した3つの力を鍛えることが重要です。
- 解釈力
- 要約力
- 語彙力
これら3つの力を鍛えると、間違いなく読解力のレベルが向上します。裏を返せば、これら3つの力を鍛えられなければ、読解力も身につかないままです。これから、「解釈力」「要約力」「語彙力」の鍛える方法をいくつか紹介していきます。
解釈力の鍛え方は大きく2つあります。
- いろいろな方とコミュニケーションを図る
- 過去に自分が失敗したことを想像して原因を考える
1つ目は、いろいろな方とコミュニケーションを取ること。10人と話せば、10人なりの考えがあります。いろいろな考えを知ることで、さまざまな目線からものごとを考えられます。
2つ目は、過去に自分が失敗したことの原因を考えてみること。解釈力とはものごとや文章、相手の発言などから、自分で考え理解する力です。過去に自分が失敗したことを想像し、「何が悪かったのか?」「あのように行動しておけば変わったかも?」と原因を探ることで解釈力を鍛えられます。
例えば、大学受験に失敗した場合、「なぜ受験に落ちたのか?」「勉強方法はどうだったのか?」「体調管理できていなかったかも…」と原因を挙げましょう。いろいろな観点から結論を導き出すことで、解釈力を鍛えられます。解釈力を鍛えたい方は、ぜひ実践してみましょう。
要約力を鍛える方法は、インプットとアウトプットをバランスよく実践することです。インプットだけしていても要約力は鍛えられません。大切なことは、インプットした内容を自分でまとめてアウトプットすることです。コツコツ続けることで要約力は間違いなく向上します。
要約力を鍛える具体的な方法は以下の2つ。
- 新聞や本を読む
- SNSで発信する
新聞や本は、重要な部分を抜き取って要約された文章で構成されています。要約された文章は相手に分かりやすくするための工夫が施されているため、多くのことを学べるのがメリットです。そして、読んだ内容について、SNSで発信してみましょう。特にTwitterは140文字しか書き込めないため、要約力を鍛えるのにピッタリのSNSです。インプットとアウトプットの黄金比は、3:7が一番効率がいいという研究結果があるため、アウトプットに力を入れて要約力を鍛えましょう。
読解力を鍛える一番の方法は、知らない単語や言葉が出てきたら、すぐにネットや辞書で調べてノートに書き込むことです。語彙力が乏しい方は、読解力もない方がほとんどです。知らない単語をほったらかしにしていると自己成長は期待できません。さらに、どこかのタイミングで同じ単語を目にしても、意味が分からず、文章を正確に理解できないでしょう。そのようにならないためにも、知らない言葉がでてきたらすぐに調べる習慣をつけてください。
おすすめの方法は新聞を読むことです。新聞を読むと知らない単語が1つや2つは現れます。毎日1つ2つと知識を増やせば、1年で多くの単語を身につけられます。とはいえ、「覚えても、すぐに忘れてしまう」と思っている方も多いことでしょう。ですから、ノートに書き込む必要があります。ノートに書くことで、過去に自分が知らなかった語彙の振り返りができます。知らなかったこと、分からなかったことをノートにまとめ、振り返ることで語彙力の向上が見込めます。
まとめ
読解力は1日2日で鍛えられるものではありませんが、毎日コツコツ積み重ねることで間違いなく鍛えられます。読解力を鍛えるためには、「解釈力」「要約力」「語彙力」の3つを向上させましょう。しかし、これら3つの力を鍛えれば、間違いなく読解力も身につきます。読解力を身につけることで仕事面において上司や同僚に頼りにされるようになります。そうなれば、昇進がグッと近づくこともあるかもしれません。さらに、時間の使い方も改善できます。
読解力を鍛えて、今より充実した社会人ライフを送りましょう。