勉強に集中できる音楽は?効率を下げる音楽に要注意!
本記事では勉強の際に集中力をアップさせる効果のある音楽やBGMを解説します。
- 勉強中に聞きたいオススメの音楽は何?
- 勉強しながら音楽を聞くメリットは?
- 効率をダウンさせる音楽って?
本記事を読めば、音楽を聞きながら勉強の集中力をアップする方法が分かります。上手に音楽を利用して、勉強の効率アップを目指しましょう。
勉強中にオススメの音楽は?
勉強の集中力を上げるためには、脳をα波状態にすることが重要です。α波状態の脳には平常時の60%以上の血液が流れ込み、目的を達成しようと前向きになります。これにより勉強への意欲がアップし、集中力も高まります。脳をα波状態にするには音楽選びが重要です。
オススメは、自然の中に存在している少しの不規則な変動である「1/fゆらぎ」が感じられる音楽です。「1/fゆらぎ」には、ヒーリング効果があり、脳をα波状態にしてくれます。
「1/fゆらぎ」が感じられる音楽は、次の2つです。
それぞれを解説していきます。
勉強しながら聞くのにオススメな音楽の1つめは「アンビエント」です。アンビエントは、雨の降る音や打ち寄せる波など、自然に存在している音でつくられた音楽です。環境音楽ともいいます。
アンビエントにはメロディーがなく、無意識に音楽から悪い影響を受ける心配が少ないのが特徴です。「シーンと静まり返った場所は苦手だけど、メロディーも気になってしまう」こんな悩みがある方にピッタリです。
iPhonenをお持ちの場合は、デフォルトでアンビエントを流せます。利用手順は次の通りです。
- 1.コントロールセンターを開き「耳のマーク」をタップする
- 2.バックグラウンドサウンドをタップして「オン」にする
- 3.アンビエントが流れる
詳しくはこちら
※コントロールセンターに「耳のマーク」がない場合は、設定のコントロールセンターから追加ができます。
音を変更したいときは、聞こえているサウンドの名前(海など)をタップすると、アンビエントの一覧が表示されます。ここから好きなものを選択してください。音を止めたいときは、もう一度コントロールセンターを開き、画面下部の「耳のマーク」をタップして「オフ」にしてくださいね。
iPhonenを持っていない方は、音楽のサブスクサービスを利用してみましょう。「アンビエント」や「環境音」とキーワードに入力すると簡単に見つけられます。
YouTubeは無料で利用できますが、途中で広告が入ってしまう点がデメリットです。集中力を途切れさせる原因にもなるので、勉強での使用は控えた方がよいかもしれません。
勉強にオススメの音楽の2つめは「ヒーリングミュージック」です。ヒーリングミュージックは、脳をα波状態にしやすい特徴があります。自律神経を整えてリラックスさせるため、ヨガやセラピーでも使用されています。
ヒーリングミュージックは、メロディーやリズムがシンプルで、ゆったりとした雰囲気の曲がほとんどです。
ジャズやヒップホップなどと異なり、ジャンルに明確な定義がないため、広い意味ではアンビエントやクラシックが含まれる場合もあります。たくさんの曲の中から、より集中できる曲を見つけるのも楽しいでしょう。
注意点は、ヒーリングミュージックの中には歌詞の入っている曲も含まれている点です。詳しくは後述しますが、歌詞のある曲は集中力を下げる原因にもなります。ヒーリングミュージックを選ぶ際には、歌詞のないものを選ぶようにしてくださいね。
勉強中の音楽がもたらす効果やメリットとは
一見、シーンとした環境の方が勉強に向いているように感じますが、音楽を聞いた方が効果的な場合もあります。音楽を聞きながら勉強すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。音楽を聞いた際のメリットは、大きく3つあると言われています。
「勉強しよう」と思っても、周囲の話し声や騒音が気になって、なかなかはかどらない経験はありませんか。これは周囲の雑音が耳に入ると、脳が情報を処理しようと勝手に働いてしまうからです。
そのため、雑音下では勉強だけに意識が向けられず、効率もダウンしてしまいます。しかし、勉強しながら音楽を聞くと、ごちゃごちゃした騒音が搔き消され、集中できるようになります。
これは、一定の周波数の音で同じ周波数の音を搔き消す「マスキング効果」が起きているためです。音楽が周囲の雑音を掻き消し、余計な情報が脳に入って来ないようにしてくれます。音楽を聞くとまわりの音が気にならなくなるのは、このような理由だったのです。
賑やかな場所に住んでいる場合や、小さな雑音でも気になってしまうような方は、マスキング効果を利用すると集中できるようになります。余計な情報をシャットアウトして、勉強だけに集中できる環境をつくっていきましょう。
音楽を聞きながら勉強すると、集中力が向上するメリットもあります。特に、脳がα波状態となりやすいアンビエントやヒーリングミュージックでは高い効果が期待できるでしょう。
脳がα波状態になると血流がアップし、通常より多くのエネルギーが脳に蓄えられるので、いつも以上に思考が研ぎ澄まされます。
先ほど説明したマスキング効果も合わされば、さらに集中力が高まっていくでしょう。
またα波を放つ音楽を聞くとリラックスできます。リラックス状態では、ストレスが軽減するので、より勉強の効率アップが期待できます。集中力を高めるために音楽を利用するのは、勉強だけではありません。
オリンピック選手が、試合前に音楽を聞いて集中力を高める場面を目にしたことはないでしょうか。スポーツにおいても、高い集中力を保つために音楽を利用しているのです。
勉強しながら音楽を聞くと、脳が活性化して記憶力が高まる効果があります。小学生の頃に聞いた曲を、大人になった今でも口ずさめる方も多いのではないでしょうか。
さらに当時の風景が鮮明に蘇り、次々と出来事が思い出されるような経験があるかもしれません。これは音楽とともに体験したために海馬がより刺激され、記憶がより強固になっているからです。
人間の記憶力について研究した、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスの「エビングハウスの忘却曲線」によると、人間は記憶してから20分経つと内容の42%も忘れてしまうと言われています。さらに1日経つと74%忘れ、記憶した内容の26%しか覚えていません。
人間の記憶は、時間の経過とともに薄れてしまうのです。海馬を活性化させ、記憶をより強固なものとする面においても、勉強しながら音楽を聞く行動にはメリットがあります。音楽と記憶を上手に連動させながら、効率的に勉強を進めていきましょう。
逆に効率を悪くしてしまう音楽
これまで音楽が勉強に与える良い影響を解説してきました。しかし、逆に勉強しながら聞くと、効率を悪くしてしまう音楽もあるので注意が必要です。勉強しながら聞くと、悪影響がある音楽は次の2つです。
流行しているJ-POPや、大好きなお気に入りの曲をつい聞きたくなってしまいますが、勉強しながら聞くのには向いていません。悪影響がある理由を、それぞれ解説していきます。
歌詞が流れる音楽を聞いての勉強は、逆に効率を悪くしてしまいます。悪影響がある理由は次の通りです。音楽に歌詞が入っていると、脳の言語中枢が反応して情報処理を始めてしまいます。つまり歌詞に意識を持っていかれてしまうのです。
これは、人の話し声や騒音が気になって勉強に集中できない状態を、自らつくり出してしまっているのと同じです。特に日本語の歌詞は気を取られやすく、勉強に集中できなくなってしまいます。集中を途切れさせないために、勉強しながら聞く音楽は歌詞が入っていないものを選ぶようにしましょう。
歌詞がある音楽を聞きたいときは、休憩時間に聞くようにするとよいでしょう。アップテンポな曲や明るい音楽を聞くとモチベーションアップが期待できます。
また、好きな音楽を聞くとドーパミンが分泌され、記憶力や集中力を向上させるとも言われています。勉強中はアンビエントやヒーリングミュージックなどの歌詞のない音楽、休憩中は明るいアップテンポな音楽を聞くなど、音楽を上手に使い分けられるようになると、勉強の効率もさらに高められますよ。
どこかで聞いたことがある音楽も、勉強しながら聞くのは避けた方が無難です。主な理由は次の2点からです。
- 曲が変わるたびに「これは○○の曲か」と意識を持っていかれる
- おおよその演奏時間が分かってしまう
どこかで聞いたことがある曲が流れると、いちいち気が取られてしまう心配があります。次の曲が流れるたびに反応してしまうからです。勉強に集中するために音楽を聞いていたはずなのに、音楽ばかりに気が向いてしまったら本末転倒ですよね。また、知っている曲は大体の演奏時間が分かります。
一曲終わるたびに「もう5分経ってしまった」と、勉強時間を過剰に意識してしまいます。時間が気になりだすと、焦りやイライラ、孤独感につながり、結果的にモチベーションを下げてしまう可能性も否定できません。
これは、よく耳にするJ-POPなどの流行りの音楽だけに限りません。勉強に良いイメージの「クラシック」や、youtubeによくある「ジブリミュージック」なども、勉強しながら聞くのには向いていないでしょう。
このような観点からも、情報性の低いアンビエントやヒーリングミュージックが勉強向きなのを納得していただけると思います。
まとめ
勉強に上手に音楽を利用すると、効率アップが期待できます。勉強中にオススメなのは、脳をα波状態にする「アンビエント」や「ヒーリングミュージック」です。iPhoneではデフォルトでアンビエントが聞けるので、ぜひ試してください。
勉強しながら音楽を聞くことで得られる効果は3つです。マスキング効果によって周囲の話し声や騒音が聞こえなくなったり、集中力や記憶力が高まったりと勉強に良い影響を与えてくれます。
ただし、選曲によっては集中力を低下させる恐れがある点は注意してください。「歌詞のある曲」や「どこかで聞いたことがある音楽」は、勉強に悪影響を及ぼす可能性があるので避けるようにしましょう。このように勉強中に聞く音楽は、やや選び方が難しい面もあります。
勉強中の騒音をなくすのが目的であれば、場所を変えたり、イヤホンのノイズキャンセリング機能だけを使って耳栓がわりにしたりする方法もあります。音楽ばかりにこだわらず、自分にとって最も集中できる環境を見つけていきたいですね。